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桃木視点

Ｏ「え…なんデ…」
　会いたかった男が私を見ている。

（会いたくて、触れたくて…幾度 我が身を呪ったか…）

『智殿…』
目の前に驚いた顔の智殿がいる。

（容姿は…よく似ている…しかし、やはり違う“人”だ）


Ｏ「さ、サトシ…ソうダケど…モウ…yonndeくれナいノ？」
　智殿の唇が震えている。


『私には、もうそのような資格はありません』
深々と頭を下げる。


Ｏ「そんナコトシナイで…」


宮『桃木！アレは我がした事…主の所為ではない！！』
　宮様の慌てた声が聞こえる。


（そう…事実はそうかもしれない…しかし、私も行動した…
　止めることができたかもしれないのに…）



Ｏ「momonoki…」

Ｓ「智くん…」
　翔が不安そうな顔で上衣の裾を引く。

（すまない…）

Ｏ「ん？」

Ｓ「なぜ…あの人知ってるの…」
　智殿を案じるような目で見ている翔。

（そのような顔をさせたかったわけじゃない）

Ｏ「……」
　言葉につまる智殿。

（人の言葉を選んでいるのだろう…そうでなくとも、言葉に執着がない方だったから…）

Ｓ「教えて…」
　翔が智殿を見つめている。

（今世を生きる二人…もう私の差し出す手は…必要にない…）

宮『いつまで…見つめ会うつもりか！』
　畳んだ扇子で、パンパンと翔と智殿の頭を叩く宮様。


Ｏ＆Ｓ「イッターイ！」
　声を揃えて頭を押さえる。


Ｎ「おい！なにするんだよ！！」
　二宮殿が慌てて走って来る。

宮『カズナリ　主が〝三人で語らう場〟を仕切らないからこうなる！』
　宮様が扇子で頭を摩る二人を示す。

Ｎ「はあぁー(怒)人型理解者が勝手に動いてる事まで、俺が把握できるかよ！」
　二宮殿が感情的な口調になる。

（ああ。今世の宮も手がかかるな）


Ａ「カズ。ああ、怒んないの！」
　相葉殿が困った顔でオロオロしている。

Ｍ「モモ。ニノをココへ！」
　潤が狼に命令を出す。

ﾓﾓ｛はい｝
　狼のモモが二宮殿をフワッと尾で包み潤の方に連れていく。


Ａ「なんか、扱いが違うくない？」
Ｍ「モモの心の持ちようだからな」