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虹色の精霊に導かれて…

第14章 一瞬の交差

大野視点

A「大ちゃん…」

「大丈夫。
 相葉ちゃんはそのままでいいんだよ。
 せっかくのハワイでしょ?」


A「うん…」


「ほら…」
顎で和也の方に相葉ちゃんの意識を向ける。


 そっちには、翔ちゃんと話す和也がいた。

N「うん」
 和也が翔ちゃんに笑顔を向けている。

(和也も安定になったかな?)


 横に居た相葉ちゃんから、優しいオーラが溢れてくる。


(温かい…相葉ちゃんのオーラ

 翔ちゃんとは違う温かさ…心地いいんだ)




A「じゃぁやりますか?♪」
 雅紀がぶんぶん腕を振っている翔ちゃんに近づく。

S「俺たちらしい決め方だね♪」
 フフっと笑っている翔ちゃん

「よし!」
拳を上げる。

 松潤と和也が笑いながら拳を上げる。


「最初は!」
俺の声で五人の呼吸が合う。


「「「「「グー!!じゃんけん ぽん」」」」」


 五つの手が輪になってそれぞれの形を取っている。


N「オシ!!」
S「オシャ!」

 勝ったのは和也と翔ちゃん。

二人はガッツポーズの後、ハイタッチをしている。



{おめでとうございます♪}
 いきなり和也に飛びついてきた一匹の猿。


(あ!お嬢だ!)

A「え?
  な、なんでここにお嬢がいるの?」
 ビックリしている相葉ちゃん。

N「こっち側に来るとき一緒に入ってきたぞ?」
 お嬢を撫ぜながら言う和也。

A「そ!そうなの?」
 お嬢に聞く相葉ちゃん。

(ふふ、相葉ちゃんて動物に対しても態度がいいよね)


宮『あれは、素が動物なのだよ』
 扇子を広げフワリと浮いた宮様が俺の前に現れた。


「わ! なんだ。宮様か…」
いきなり表れた見慣れない姿の宮様に驚いた。


(いつもの服よりシャンとしている…)

 宮様が、俺が衣服を見ている事に気づいて、話を進める。

宮『宴の席じゃからと言って、着せられた』
 着ている半尻(はんじり)を疎ましそうに触りながら言う宮様。


 『高貴なお方が、水干(すいかん)のお姿で宴に参加するなど、恥ずかしいですよ』

宮様の後ろからもう一人“人”が現れる。

 バッチリ決まった衣冠(いかん)姿の男性が立っていた。


「え…なんデ…」

 そこに立っていたのは、ずっと会いたかった“本人”だった。

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