
虹色の精霊に導かれて…
第13章 虹の祝福と宴
{はじめます}
カハラは両手の掌を上に向け、祝詞(のりと)を唄い始める。
“父なる空と
母なる海の 間に
生まれし 我が地”
カハラの手から あふれ出すマナ
“地に命 溢れ
花を咲かす
その花に 輝きが集まる”
シルクのような輝きの布地から一転
花の首飾りをさげ 花冠をかぶり 腕飾り足飾りを身に着けている。
カハラが一息拭くと、ゆっくり、そして麗しく舞い始める。
“柔らかな風と
麗しい水に育(はぐく)まれ
新たな芽が息吹く
暖かな灯を浴びて
大きく葉を広げる”
柔らかな輝きは徐々に暗い色へと変わる
“迷い多くなれば
雷(いかずち)を浴び”
雷鳴が轟く
“葉を凍(こご)わす”
あり得ないほどの冷気が体を包む
五人は身を寄せ 手を握る。
カハラは少し微笑を浮かべる
“その暗明を潜り抜け
共にする手を繋げ”
すっかり暗い空間に 一筋の光が降り注ぐ
降り注いだ光が五人の包まれる
