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虹色の精霊に導かれて…

第13章 虹の祝福と宴

松本視点

風も香りも穏やかで気持ちのいい場所で、
『虹の乙女』と名乗る少女と翔さんが挨拶を交わしている。

(さすが、聖地
 ものすごく、体が軽い…

 五人の表情もいい感じ…)


でも、俺は岩から漂う匂いが気になって仕方がない。


岩一つ一つから違う匂いがする。

ちょっとおいしそうないい匂い
同族の匂いもする…

そして、きな臭い匂い…

今の俺では、どの岩なのか わからない…


(どいつだ…)

四人にばれないように、深く息を吸い込む。


(あ、きな臭いのが、動いた…)


意識を集中して感じとったのは、動いた先は『虹の乙女』

挨拶した時と容姿は変わらない

{…Why is it hidden?}
 微笑みながら聞くその表情から、優しさが嗅ぎ取れなくなった。

翔さんが困惑した顔で返事を考えている。

(翔さんの嫌がる事…言いやがったな!)
体中の毛が立ち上がるのが分かる。



 O『おちつけ…潤…』

 リーダーの声が聞こえた。

リーダーを見ると、小さく頭をふって左手を胸に当てている。

  おちつけのサイン


N「カハラ様!われらは『嵐』として、
  お目通りを許された者
  その件はご辞退させていただきます」
 ニノが大きな声で断りの言葉というと勢いよく頭も下げた。


 O『な…いま俺ら『嵐』なんだよ』


(リーダーがそぉ言うなら)
ふーっと息を吐き、目を閉じた。


(リーダーには逆らえない…逆らいたくない

 あの人が見えている物は、俺が望む物に一番近い)

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