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虹色の精霊に導かれて…

第13章 虹の祝福と宴

二宮視点

 小さな霊が導いたのは、絶え間なくふく優しい風と、ユーカリの香りが広がる心地良い場所。


(昼間に来たときより、霊圧が増えてる気がする)


大小のバースストーンの上に壱霊ずつ鎮座しているの見える。


(あの岩のマナが主か?)


バースストーン郡の中央に虹色に輝く大岩があった。

その大岩のシルクの聖服を纏った胡桃色のロングの髪の少女が立っていた。


{ようこそ『クカニロコ』へ

『嵐』の名を持つ人の子達


 わが名はカハラ『虹の乙女』です}

腰から少し沈ませる礼をする乙女。


(巫(かんなぎ)か…)


S「お招き ありがとうございます」
 手を繋いでいたはずの翔さんが一人で前に立ち右手を胸にあて、頭を下げた。


(やっぱ、手慣れてる…ちょっとカッコいいよ)


{…Why is it hidden?}
 虹の乙女が、英語で翔さんに質問してきた。

 翔さんの顔はビックリと言うが、焦った顔をした。


{This is this "flower" place.
 I also hope that you make your flower bloom.}


声は、虹の乙女だ。でも、明らかに表情が違う。


S「お心痛み入ります…が…私(わたくし)は…」
 瞬きを沢山しながら、言葉を探しているような翔さん。


(虹の乙女に どれかの霊が憑依したんだな!)


「カハラ様!」
 大きな声をあげ、一歩前に出て翔さんに並ぶ。


「われ“ら”は『嵐』として、
 お目通りを許された者

 その件はご辞退させていただきます」
目いっぱいヘリクダって断りの言葉を言って、頭を下げた。


{……}

虹の乙女の表情は見えない。


{…そうですね。失礼しました…}
 虹の乙女が申し訳なさそうな声が聞こえた。

ゆっくり頭を上げると

S「いいえ、こちらもまだ、ふらついておりまして…」
 翔さんも困った顔で対応していた。


(霊語でうまく誤魔化せよなぁ

 ほら、潤くん辺りが戦闘モードに変わりかけてるよ…)

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