無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

相葉視点

小さな霊に導かれやってきたのは、優しい風とユーカリの清々しい香りで本当に心地良い場所だった。

俺でも分かるくらいの大きなマナがある岩の前に、

シルクのような輝きの一枚布地をただ巻き付けただけの
胡桃色のロングの髪の少女が立っていた。


｛ようこそ『クカニロコ』へ

『嵐』の名を持つ人の子達


　わが名はカハラ『虹の乙女』です｝

腰から少し沈ませる礼をする乙女。



Ｓ「お招き　ありがとうございます」

　手を繋いでいたはずの翔ちゃんが一人 前に進み
右手を胸にあて、頭を下げた。


（影山みたい…カッコいい…）


｛…Why is it hidden?｝

　虹の乙女の言葉に驚いた顔をする翔ちゃん。


｛This is this "flower" place.
　I also hope that you make your flower bloom.｝

　虹の乙女は可愛らしくほほ笑んでいる。


（英語だったよね？わかんなかったけど…）


Ｓ「お心痛み入ります…が…私(わたくし)は…」
　瞬きを沢山しながら、言葉を探しているような翔ちゃん


（何？どうしたの？こんなに動揺してる翔ちゃん珍しい…）


Ｎ「カハラ様！」
　和がニノで大きな声をあげ、一歩前に出た。

（ニノ？）


Ｎ「我“ら”は『嵐』として、お目通りを許された者
　　その件はご辞退させていただきます」
　カズが断りの言葉とともに頭を下げた。


（なんで『ら』強調したんだ？）

横を見ると潤ちゃんが、ふうと息を吐いている。


（潤ちゃん？怒ってるの？何に？）

折角の気持ちのいい場所が一気に空気が悪くなる。



｛…そうですね。失礼しました…｝
　虹の乙女が申し訳なさそうに小さく頭を下げる。


Ｓ「いいえ、こちらもまだ、ふらついておりまして…」
　翔ちゃんも『ごめんなさい』な顔をしている。