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虹色の精霊に導かれて…

第10章 羽と尾と鼻と目と耳

櫻井視点

{じゃね}
 桔梗が消える。

「あ…もう…」
後追いするように手を伸ばすが、もう、そこには桔梗はいない。


(桔梗はここが嫌いなのかな?

 いつも一緒に来るのに、必ず…入ると消える…)

周りをぐるっと確認して歩きだす。


N「あ!翔さん!!」
A「翔ちゃ~ん」

 少し先に手を振る雅紀と和がいた。

(なかよく…手を繋いでる…)


「おぉ」
大きく手を振って歩いている二人(和側)に近づいていく。



N「今日はね。三人で一緒に飲みましょ♡」
 和が俺の手を握る。

(お誘い?)

A「三人なの?五人で飲もぉよぉ」
 雅紀がチラッと俺の顔をみて、口角を上げる。

(なんだよ、その目…)

N「いいじゃないか。どうせ、翔さんは潤くんに取られるんだから…」
 ギュッと俺の手を握る和は雅紀の顔を見上げている。

(なぜ、潤なの?って疑問を口にしたいけど、

 和がこんなにご機嫌なのを壊したくないから、

 聞かないよ。雅紀もそうだろ?)


A「おれは、大ちゃんと飲みたいのに!!」

(バカだ…)
心の中で合掌する俺。

N「はー!俺とは飲みたくないのか!」

A「の!飲みたいよ♡でも、五人もいいってこと」
 開いている右手で、和の鼻をツンツンする。


N「ならいいですよぉ」
 つないだ両手を交互に振って少し前を歩き出す和。


「ご機嫌だね…」
雅紀の方を見て言う。


A「っふ!何よりだよ♬」
 雅紀は、はじけるような笑顔で言う。


三人で歩いていると、目の前に三人の人影を確認する。

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