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虹色の精霊に導かれて…

第10章 羽と尾と鼻と目と耳

二宮視点

宮『そうじゃ!我が言葉に従え!』
 扇子パンと音を立て閉じる人型理解者。


(人型になった理解者は、完全なワガママボンなんだよなぁ)

はーっとため息をはく。


テクテクと歩いて、マー君が来るであろう扉の前に向かう。


(出てくる…まー君は…)

1「迎えなんか、要らないよ(怒)」
  膨れ顔で、俺を無視して、先を歩く。

2「わーい(*´▽`*)にのちゃんが迎えに来てくれた!」
  笑顔で、俺に抱きつく。

脳内で反応を想像してみた。


(1なら、殴る(怒)。
 2なら…(照)やっぱ殴る…

 結局、殴るんだろうな…)


声を出さず、扉の前で笑っていると、扉が開いた。


(きたきた…)


扉をくぐってくるで来るマー君をみた。


(あら…落ち着いてますね…
 もっと挙動不審で出てきてほしかったのになぁ)


 {和也様!}

一匹の黄色い猿がマー君より先に俺の方に走ってきた。


≪お壌?≫

 猿はするするっと俺に上ってきて、肩に乗る。

猿{はい!和也様♡}
 猿は嬉しそうに尻尾を首に巻き付け、頬をすり付ける。

≪お壌も元気だったか?
 すまないな。アイツの躰を守ってもらって…≫

猿{私は、和也様の為ならどんな事でも頑張れます!!}

≪よしよし。いい子だ♡
 頑張ってくれよ。宮様もきっと喜んでくれる≫

猿{はい!}


A「…………」
 何も言わず、マー君が走ってきた。


(どうして?って顔してるぞ?)


「もう、声に出してもいいよ」
笑いをこらえながら声を掛ける。

A「え?そうなの?」
 マー君から間抜けな声で返事をした。


「ふふ(その間抜け顔スキだ…)
 マー君が一人で扉をくぐるの初めてだったっけ?」
笑いながらみんなの待つ方に歩き出した。


A「そ、そうだよ!!すごく、緊張した!!」
 歩幅を合わせて一緒に歩くマー君。

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