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虹色の精霊に導かれて…

第10章 羽と尾と鼻と目と耳

猴の宮(理解者)視点

『噂をしたら…』

 開いた扉からでてくる人影に集中する。

M「あれ?智さん?」
 出てきたには、山犬の坊主だった。

『な~んだ 犬かよ!』
(なぜに、ここで犬がくるんだよ…
 せっかく、喜ばしい光景を拝めると思うていたのに…)

坊主を睨みつけな、落胆する。


M「なんだよ!!俺の『もも』は犬じゃねー!!狼だって言ってるだろ…」
 坊主が眉を吊り上げてズカズカ詰め寄って来る。


(あーうるさい…)

『ワタシにとったら、山犬にしかないのですよ』
 大野の後に隠れる。




松本視点

扉をくぐって中庭にでると、誰かだこっちを見ている。


小走りで近づくと、やっぱり人がこっちを見ている

(ふたり??)


「あれ?智さん…と?」

(ニノ?ここでも、攻め衣装か?)


『な~んだ 犬かよ!』
 俺の相棒を指さしながら、明らかに期待外れ的な声で落胆する和服の少年。


「なんだよ!!俺の『もも』は犬じゃねー!!狼だって言ってるだろ…」
 狼を犬扱いされて、カチンと来てズカズカ詰め寄っていく。


『ワタシにとったら、山犬にしか…ないのですよ』
 ニノの様な少年はフワッと浮くと、そのままリーダーの背中にヒタッとくっ付く。


(浮いた!)


「え?…コイツ…ニノじゃねーの?」
 不覚にも固まってしまった。

O「この人はね…」
 こまった顔のリーダーが俺に近づいて来る。


その間を取るように、ももが俺の前にわってはいる。

{潤さま
 この方 御岳帝(みたけてい)御子
 猴(ましら)の宮様でございます }

紫紺色の瞳が真っ直ぐ
(みたけ…その名前聞き覚えがある…)


『まだ気づかぬか?』


「もしかして…ニノの宮様?」

(コンサートの時ニノの側で輝いている人が見えた事がある…

 そのたびにリーダーが『宮様の輝きだ』って言っていた…)


宮『そうだ!崇(あが)めよ 犬!!』
 フンっと顎を突き上げ、リーダーの肩越しから、声を上げる。


 その言葉で、ももが宮様に首部を下げる。


宮『良い子だ』
 気を良くしたのか、宮様はリーダーの背中からするりと出てきて、ももの横に立つ。 


宮『主も見習えぇ』
 そして、扇子を俺に向けてニヤリと笑った。


(なんだ!この態度…ニノよりたちが悪いぞ!!)

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