テキストサイズ

虹色の精霊に導かれて…

第10章 羽と尾と鼻と目と耳

猴の宮(理解者)視点

『今日の宴は、別行動としよう!』

そう、話を進めていく。


カズナリは、頭の良い男。

我が何を言いたいかをよく分かっている。


なのに、真っ直ぐ物事を進めない。


「り、理解者がそういうなら、仕方ないですね」


我が器は、天の邪鬼だ♪誰に似たのかのう?



『そうじゃ!我が言葉に従え!』
 扇子パンと音を立て閉じる。

「わかりました…」
 口を尖らせ、頬を染め、カズナリは、マサキの扉の方に向かって走って行く。

 その後ろ姿を見てい我が心は締め付ける。

アレは、我ではない。
そして、マサキもアイツではない。


 切ない気持ちを振り払うように、眠る御仁の傍まで行く。

『なんと、無防備な寝姿…』

 すやすやと気もちよさそうに眠る大野。

『起きぬか?良い知らせがあるぞ!!
 御仁…御仁…

 起きぬか…よぉし…』

意識を集中して、声を出した。

『御仁!』


O「ひゃぁい」
 飛び起きる大野。

人の大野が先に起きたのか…

『なにその、間の抜けた声…』

聡明さが無い…



『先に御仁と話をしようと思って…』
左裾から一枚の風呂敷をだし、側の切石の上に広げる。

 その上に座って、人の大野に顔を向ける。

O「…えーっともしかして、ニノと一緒にいる宮様?」
  オズオズしながら聞いてくる大野。

『そうだよ?
 こうやって面と向かって話すの初めてじゃ無いでしょ?』
大野の顔に指を向ける。

 大野の眉が下がる。

『振り出しですか?まーいいですけど…

 今日はね♪良いことがあるよ♪』

O「え?なに?」

『桃がね♪ショウと接触できる…と言うか、もうすぐ来る♪』

「え?桃ニ会エル?」


あ…悟の顔に戻っている…


『ええ♪

 ですから…もう少しです』

 扉が開く音が聞こえてきた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ