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虹色の精霊に導かれて…

第10章 羽と尾と鼻と目と耳

相葉視点

自分の部屋のベッドの上

聖地で貰ったハイビスカスの生花の飾りを触りながら、ソワソワしながら、迎えを待っていた。


(こうゆうの初めてだ…)

部屋に‘輝く扉’が現れる


(来たーーー!)



{お迎えに参りました}

その扉から聖服を着た使者が現れた。


「ぁ……」
 口を慌ててふさぐ。

(あぶない!! しゃべっちゃダメったったね…)

 鼻で息をして、逸る気持ちを抑える。


{お立ちください}

使者が、俺の前に立って右手を胸に当て、深々と頭を下げる。


 言われた通り、俺はベッドから立ち上がる。


 ふわっと体が軽い。

(あぁ、聖地と同じ感じだ…)


{では、参りましょ}



(ちょっと出掛けてくるけど…体…寝ててね♪)


ベッドに寝ている自分の体に、心で声をかける。

ゆっくり扉のなかに入っていく。


扉の向こうには、太陽が燦々と降り注ぐ中庭のような場所に出た。


中庭に出ると、カズが立っていた。


(あれ?なんで…カズがいるの?)

急いで、カズの所に走って行く。

(話では、一人づつって…)

N「もう、声に出してもいいよ」
 カズがくくくっと笑いながら言う。

「え?そうなの?」
 間抜けな声で返事をした。


N「くふ。マー君が一人で扉をくぐるの初めてだったっけ?」
 カズが笑いながら歩き出した。

「そ、そうだよ!!すごく、緊張した!!」
 俺もそのあとをついて行く。


 少し歩くと、カズが立ち止って振り向いた。


「なんだよ…」

俺が少しビックっとすると、カズがニコッと笑った。


N「やっぱり…いつもみたいに!!」
 カズの方から手を繋いできた。


「うん!いこう♪」

ギュッと手を繋いだ手がとっても熱かった。

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