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虹色の精霊に導かれて…

第10章 羽と尾と鼻と目と耳

櫻井視点

≪俺!?≫

男性の顔が、自分の顔に見える。


(あ…鏡か?)

脳内で勝手に鏡と判断した。



男『鏡では、ないよ』


「え?なんで、わかったの?」
考えていた事を言い当てられ、驚く俺。


男『なぜ?長い付き合いだからだろうか?』
 男性は首を傾げながら、答える。


「長い付き合い? だ…誰だ?

 イヤそうじゃない! ここは俺の部屋だぞ!

 いつ入ってきた?

 …じゃ、ない。いつからここに居る!!」

お酒の所為か、うまく思考が働かない。


{ふふ。王子って予定にない事起こると、アタフタして可愛い!}
 桔梗がクスクス笑いながら周りを飛ぶ。


≪き、桔梗。今はお酒入ってるからだよ!≫

少しテンパっているのは分かっている。

でも、こういう事今までなかったから、どうしていいのかわからない。


男『そんな顔しないでよ…』
 苦笑の顔が『俺』な男性が近づいて来る。


「だから…」
身構えながら間合いを取り、退路確認する。


{桃木殿、翔とは初 顔合わせでしょ?グイグイ行くと逃げるよ}
 桔梗が男性と俺を交互に見ながら男性に言っている。


(モモノキって言う名前なんだ…)


≪て、言うか!!桔梗。なんで、名前を知っているんだよ!!≫
桔梗に文句を言う。

{ヘタレ王子っが鈍感だから、知らないだけだよ}

「はー。俺のどこがヘタレだよ!」



桃『あーそうだね。こうやって話したことなかったね…』
 うんうんっと一人で納得している。


桃『キミを取り巻いているモノに邪魔されて、直接接触できなくて、ごめんね』
 いつの間にか、目の前までやって来て、俺の肩をポンポンと触たモモノキさん


肩を叩かれた感覚で、色々な記憶がよみがえる。



(この、感覚…知っている…

 そうだ…あれだ……

 俺の後ろに…

 なにか困った事や、悩んだ時とか…

 気配だけ感じていた…背中を押す やさしさ…)


桃『よかった。警戒は解いてくれたね♪』
 俺に似た男性が微笑んでいる。

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