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虹色の精霊に導かれて…

第10章 羽と尾と鼻と目と耳

櫻井視点

O「しょうちゃぁ~ん」
 にこっと笑って両手を広げて『抱っこアピール』をしてくる智くん。


(そうやって、甘える…
 歳を取るたび、なぜか、柔らかくなっていく…

 でも、今は俺だけの特権)


「はいはい」
智くんの体抱き上げる為に寄せてくる。


O「おいら達の翔ちゃん♡」
 智くんが俺にしっかり抱きつく。


「はいはい!」
(『達』はいらない…)

 みんなの『翔ちゃん』ですよ♪」

背中に回った手で、智くんの背中をポンポン叩く。



O「その花はやっぱり、赤いのがいいね♪」
 抱きついている智くんが俺の花をツンツン触ってきた。


「そう?智くんの青いのだって綺麗だよ♪」
抱きつかれているから、身動きできないけど、智くんの花は見える。


O「へへ♪良いだろう♪」
 少し背中をそらして、にこぉっと笑っている智くん。


(体の感触や笑顔…目の中の輝きは、智くんそのものだね…)


「よいしょ!」
無事?を確認できたから、ソファーから抱き上げる。


「智くん…なんか軽くなった?」

O「そう?」
 不思議そうな声で返事が来た。

「最近忙しかったもんね…体…鍛えないとね…」

(無自覚?それとも…
 さっき、雅紀を抱きしめたからかな?智くんがちょっと軽い気がする)


30過ぎの男が抱き合いながら、ベッドにダイブする。


O「きゃー♡ 翔ちゃんとベッドイン!!」
 ふざけた声をあげる智くん。


(ベッドイン…)


「はいはい…」


(櫻井翔!冷静に…真に受けるな!)


「お布団入ろうね♪」

 掛け布団を急いで惹き寄せて、智くんの上に掛けようとする。


O「やだ…もっと、一緒に…」
 智くんが俺の腕を掴む。



(やーめーてーーー)

冷静を装っている俺の本音が溢れそうになる。

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