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甘く、苦く

第50章 お山【君のためにできること】

大野side



あれから月日は流れ、
もう翔ちゃんと付き合って
三年目に入ろうとしていた。


「しょーうちゃーん。」

「んー?」

「…ふふ、寝癖ついてるよ。」

「え、どこ?」

「こーこ♡」


そう言って翔ちゃんの
寝癖を直す俺。


この時間が何より幸せで。

もうこんなキラキラ輝いた
人生は翔ちゃんのお陰で。


「ふふ、ありがと。
さとっさん。」

「んふー、いつもの
かっこいい翔ちゃんだ。」


にこっと微笑むと
翔ちゃんの顔が赤くなる。

ふふ。可愛いの。


「ほら。さとっさん行くよ。
手、出して。」

「はーい♡」


翔ちゃんに言われた通り、
左手を差し出す。


翔ちゃんは嬉しそうに
その手を握り
ゆっくり歩き出した。


こうやって俺の歩幅と
合わせてくれるところ、

翔ちゃんのいいところだよね。


こういう翔ちゃんだから、
俺は好きになったんだ。

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