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甘く、苦く

第50章 お山【君のためにできること】

櫻井side



「さとっさんのせいだ。」

「違うもん。」

「いーや。さとっさんのせいだ。」

「違うー。」


ぶーぶーと唇を尖らせて
ニノの隣に座る。


「なんです?」

「翔ちゃんがいじめる。」

「翔さんが?」

「うん。」


…ニノの隣で楽しそうに
ゲーム画面を覗き込んでる
さとっさん。



……あの距離は俺のものなのに。


「…智さん、もう少し
離れてください。」

「やだーっ!」

「あっ!!」


ニノのゲーム機から
ゲームオーバーの
音が聞こえる。


「さーとーしーさん?」

「ご、ごめんね?」

「ごめんで許されるんなら
警察はいらねーんだよっ!」

「ぎゃあーっ!翔ちゃぁーんっ!」


そう言って、俺の後ろに
隠れるさとっさん。

…可愛い奴。


「翔さん、そこを退いてください。」

「俺の可愛い恋人に
手を出さないでくれる?」

「え…。」


あ、しまった…。

慌てて口元を押さえた。


「ま、知ってましたけど。」


ニノははぁーって
深いため息をして
ソファーに戻った。


「えー!リーダーと翔ちゃん
付き合ってんのー!?

なんで早く教えてくんないのさー!」


相葉くんが俺の背中を
バシバシ叩いてくる。


だって…。


「同性愛って、変じゃない?」

「どこが?」

「え、あーっと…、」

「翔さんとリーダーが
選んだんでしょ?

それでいいじゃん?」


潤がコーヒーを飲みながら
爽やかに言う。


…俺たちは、
いい仲間に恵まれたな。

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