
DAYS
第37章 secret OANM×S
翔に連絡を入れてみれば、了解と返事が来た。
みんなが重い空気を纏わせて、
翔の家へと向かう。
「…入って。」
翔の家に行って、玄関まで来た俺たちを見て
翔はそう一言だけ言った。
翔の声は沈んでいて、足取りも覚束無い。
それに加えて、
翔の部屋の荒れ具合ときたら凄かった。
いつもそんなに綺麗にしている訳じゃないけど
こんなに物が散乱しているのは見たことない。
まるで、翔自身を表しているような、
そんな気がした。
写真立てが割れてた。
…中には、俺と翔のツーショット写真が
入っていた。
…俺のこと、好きじゃないんでしょ?
たった1枚の写真なのに、
こんなにも惑わされる。心を揺さぶられる。
翔が分からなくなる。
リビングのソファーの上にニノと松潤、
俺と相葉ちゃんはラグの上に、辛うじて
スペースを確保出来た。
「コーヒー、煎れるから。」
「いいよ、そんなの。」
「…俺が飲みたいんだ。」
そう言って、キッチンへと足早に向かう。
やっぱり足元はふらついていて、
その姿は見るに耐えない。
「…どうする?」
「どうするって…。」
「何から切り出すか、ってことだよ。」
難しい表情のままの松潤と目が合う。
切り出すのは気持ちが重い。
だけど翔も分かっているはずだ。
俺たちが何を話に来たか、なんて。
「はい、コーヒー。」
そうこうしているうちに、5つのカップを
翔が持ってきた。
カップの中の琥珀が揺れている。
やっぱりみんな落ち着かなかったらしく、
すぐに口をつけた。
何だか少し甘い香りが鼻を抜ける。
うまいコーヒーだった。
