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DAYS

第37章 secret OANM×S





S side


電話は切られて繋がらない。

メールの返信は返ってこない。


イライラだけがどんどん募ってくる。

智くんへの怒り。
智くんをかっさらっていった
松潤とニノへの怒り。


アイツらは全てを知ってる。


「はぁ…っ。」


タバコを取り出して、口にするけど
久しぶりに口にしたそれを体は受け付けない。

まるで初めて吸ったガキみたいに
ゲホゲホと咳き込んだ。


ひとりだけのリビングは冷たいし淋しい。


涙とかそんなもんが出るわけじゃない。

ただただ焦りがあるだけだった。



ーー…

ガチャンと玄関の方で音がしたのは
2時を少し回ったころだろうか。

トットッ、と軽い足音が
リビングにまで聞こえてくる。


帰ってきた智くんは、
酔っ払ってはいなかった。

ただずーっと下を向いていた。


「智くん!」


俺は自分が、「怒ってる」体でいた事も
忘れて智くんの方に飛びついた。


「…んな。」
「え?」

「俺に触んな。」


聞いたことのない、ドスの効いた声。

背筋に冷たい何かが伝ってく。


「智くん…?」

「俺のこと、好きじゃないんだろ?

…触んなよ。」


好きじゃない。

その言葉を聞いて、全てを悟った。


ああ。バレたのか、って。

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