
DAYS
第37章 secret OANM×S
「え、ちょっと!」
さすがにそれはまずいよ。
今頃翔がどうなってるか何て、
…さっきの楽屋での様子をみれば明白だ。
心配してる、とかそんなんじゃない。
あれはたぶん嫉妬とかでもない。
紛れもない「怒り」だった。
「大丈夫だから。ほら、降りて。」
都合よく車は目的地に着いたらしく、
グイグイと押されて車を降りる。
目の前には、一見店か分からないような
こじんまりとした建物。
でも中に入ってみれば、そこは店で。
しかもオシャレな完全個室のお店。
これにはさすが松潤としか言いようがない。
戸惑う俺の腕をニノが掴んで、
テーブルの席まで連れてくと、自分も
ドンッと俺の横に居座った。
「え、二ノはこっちでいいの?」
「何。俺の横じゃ不満ですか?」
「いや、そんなんじゃないけど。」
だって、てっきり松潤と二ノは…って
思ってたから、俺の隣よりも松潤の方が
いいんじゃないかって。
ってかそもそも俺、場違いなんじゃー…
「大野さんが逃げないようにここに
いるんですから。いいんです。」
ほら。ここは料理が出てくるのが
早いから、もう来ますよ。
って、さりげなくさらに奥へ押し込まれる。
ほんとにすぐに料理が出てきた時には
驚いた。
この店は、店の席に留まらず、料理の
予約まで出来るらしい。
…絶対に俺を連れてくるつもりだったんだ。
「飲んでもいいよ。」
俺が送ってくから。
その言葉に甘えて、もう飲んでしまう
ことにした。
難しいことはしばらく忘れたかった。
