
DAYS
第37章 secret OANM×S
そんな雰囲気のまま、始まる収録。
眩しいライトに照らされて、
何台ものカメラを向けられて。
いつもの雰囲気。
いつもの感じのトーク。
そんないつも通りが、いつから
こんな冷たいものになったのか。
それを考えても虚しいだけで、
答えなんて見つからないから止めた。
「またリーダーがボーッとしてますよー。」
「あ…。」
「収録中なのにねぇー。」
「まぁらしいっちゃらしいけど。」
いつも通りの言葉。
それなのに、何故かきつく聞こえてきて。
俺を攻める言葉何かじゃないって…。
ちゃんと分かってるのに。
気が付いたら、収録は終わってた。
「智くん?大丈夫?」
翔くんのドアップの顔に驚いて、
2、3歩後ろへと後ずさる。
「あ…。」
「どうしたの?本当に大丈夫?」
「もう収録終わってたんだ。」
「そうだよ?」
今更何を言ってるのって、クスクス笑ってる。
その優しい笑顔に少し体が軽くなる。
「さ、帰ろ。
ご飯食べに行く約束だったでしょ?」
「うん。」
「お店はもう予約しておいたからね。」
俺の少し前を歩く翔くんを追いかける。
少し、甘い匂いがした。
