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DAYS

第32章 オールリクエストshort story♡





翔くんは、車で俺の家まで
迎えに来てくれた。


「お待たせ!」
「待ってないよ、大丈夫。

じゃあ、出発するよ。」
「お願いしまーす。」


運転する翔くんを、横目で
ちらっと盗み見る。


土曜日だっていうのに、
今日も仕事だったのだろう。
翔くんは、スーツのままで。


大学の頃からずっと見てきた
翔くんの姿。

いつの時だって格好いいのには
変わりないんだけど、
社会人になってからの翔くんは
格好よさに磨きがかかったと思う。

大学の時の爽やかさに加え、
大人の雰囲気も相まって…。


そんな風に見えるのは、
俺の気持ちの問題でもあると思うけど。

月日を重ねるごとに大きくなる気持ち。



「…ん、潤?」
「へっ、あ、ごめん。」
「大丈夫?疲れてんのか?

お店着いたけど…、
今日はやっぱりやめとく?」


俺のことを心配してくれてる。

それさえも嬉しくて、顔が緩みそうに
なるのをぐっと堪えながら


「大丈夫!本当に大丈夫だから!」
「ふはっ、必死すぎる。」


慌てふためく俺を見て翔くんは笑ってる。

いつになっても変わらない、
少年のような笑顔にまたキュンとする。


そんなの、悟られたくなくて

「ほら、翔くん行こ!ね?」
「ぅおっ。
ちょ、俺はお前を待ってたんたぞ。」


うだうだ言ってる翔くんの腕を
強引に引っ張って、店へと急ぐ。


俺の後ろから、

「もー…、何なんだよー…。」

って、ブツブツ言ってる翔くんが
可愛くて。

ずるいよね。
格好いいのに、可愛いなんてさ。

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