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DAYS

第32章 オールリクエストshort story♡






何でこんなことになってるんだろう。


「ぅあ、やっ、まさきっ、ああっ。」
「和、かずっ、好きだよ…。」
「あ、俺もっ、すきぃ…。」


揺れて軋むベッド。

静かな部屋に響く俺の甘い声。

雅紀の色気ある声。

肌のぶつかる音。

交わり合う汗。涙。


頭はふわふわしていて、
リアルだけどリアルじゃない。


夢のような、リアルな世界には2人だけ。



目を閉じても聴覚からの刺激。

雅紀の「好き」って言葉は、
どんなものよりも気持ちがよかった。


耳元で、ずっと雅紀が

「好きだ。」
「ずっと好きだったんだよ?」

そんなことを言うから、思考回路何て
もうショートしてて。


快楽と、幸福で心が満たされていく。


ああ、何でこんなことになったんだっけ。



時計が9を指す少し前、
雅紀はやってきた。


「こんばんはー!お邪魔しまーす。」


夜だってのに、バカみたいに
テンションが高いコイツ。


「この時間なのに、声でけーんだよ。」
「あ、そっか。」
「ふふ、まーくんは相変わらずねぇ。
ほんっと、元気があっていいわぁ。」
「悪かったな、不健康な息子で。」
「そういうことじゃないでしょ?もー。

ほらほら、まーくんあがって?」


母親に急かされて、俺の部屋へと上がる。


「じゃ、冷蔵庫にケーキ入ってるからね?」
「やったぁ!ケーキだぁ!」


やっぱりケーキにしてよかったわぁ。

その言葉を残して、母親は上機嫌で
夜勤へと向かった。


姉は家を出てて、父親は出張中。

家にはたった2人っきり。


こんなのよくあること、なのに。

今日は、何だか違って。

特に雅紀が、何だけどね。

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