
DAYS
第32章 オールリクエストshort story♡
A side
気が付いたら好きだった。
そんな感じ。
小さい頃からずっと隣にいる
和が、気が付いた時にはもう好きだった。
あれだけ可愛かった和は、
あっ、今でももちろん可愛いけどね?
可愛いんだけど、格好いい。
飾らなくて、ちょっと素直じゃないけど
でもそこもむしろいいんだよ。
そんな和を追いかけるのは、
かなりの努力が必要だった。
和の行きそうな高校は、
俺にはかなりレベルが高くて、
とても一般じゃ無理だった。
唯一俺の武器であるバスケットに
ひたすら打ち込んだ。
その努力は実って、
和は一般で、俺は推薦で
同じ高校に通うことが出来たんだ。
だけどさ、元々俺の学力に合った高校では
なかったから、勉強についていけないのは
当たり前のことで。
鬼のように忙しい部活も重なって、
ついていけるはずもなく…。
でも、それがむしろ嬉しい。
だってそれを口実に
「かずー…。」
こうやって、和に近付けるから。
和に甘えられるから。
和とプライベートまで一緒にいられるから。
知ってる?
和ってね、俺がお願いって言うと
「えー…」とか、
「面倒くさい」とか、
「自分でしろよ」とか
そんなことばっかり言うんだけどね、
でも、顔はどこか嬉しそうなんだ。
俺のエゴなのかな?
そうであって欲しいって、
俺が思ってるからなのかな?
顔は嬉しそうなのに、口では
冷たいこというんだもん。
だけど、それでもめげずに
お願いすれば、渋々っていう体で
承諾してくれる。
今日の9時…。
そのことを考えれば、
部活の厳しいメニューも苦ではない。
「相葉、今日調子いいな。」
「そう?…へへ。」
緩んだ顔をぱんっと叩いて、
走り込みを再開した。
