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DAYS

第32章 オールリクエストshort story♡






「いただきまーす。」


出来たてのご飯を、口いっぱいに
頬張って、美味しそうに食べる和。


「んー…。
やっぱり潤くん料理うまいね。」
「簡単なのしか出来ないけどね?」


そんなこと無いよ、十分だよ?


口をもぐもぐさせて、リスみたいな
顔でそんな事を言うもんだから、
とんでもなく可愛かった。


「潤くん、ビール飲んでもいい?」
「うん。
でも、飲んだら帰れないんじゃー…」
「…今日は、泊めてほしい、な。

今日くらいは…ダメ?」


さっきまではニコニコしてた和の顔が、
さっと曇っていく。


今にも泣き出しそうな顔をしてる和に、


「…どうした?今日、何か変だよ?」


ずっと気になっていたことを切り出した。


酔ったら涙脆くなるのは知ってるけど、
今日はシラフ。

しかも、今日1日様子がおかしかった。


ずっと怖くて聞けなかったこと。

不安で聞けなかったことを、切り出す。


すると和は、

「…なんでもないよ、大丈夫。」


泣きそうなくせに、ぐっと唇を噛んで
無理やり笑ってる。


俺はそんな顔がみたい訳じゃないのに。


「今日1日、いつもと違ってたから…。

それに最近、逢ってくれなかったから
俺ー…」


そこまで言って、言葉が詰まった。


言ったら、終わってしまうんじゃないか。

その不安が俺を支配してる。


「潤くん?」
「…別れ話をされるんじゃいかって、
不安で、俺…。」
「あ…。

ごめん。ごめんね?潤くん。」


もう半分泣いてる俺を、
ぎゅーっと抱き締めてくれる和。


やっぱりここは暖かい。


「ごめんね、そうじゃなくって…。」
「…じゃあ、どうしてー…」

「俺、来週から大阪に転勤なんだ。」

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