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DAYS

第32章 オールリクエストshort story♡






今思えば、能天気だったんだけど、

和に夜会えると思うと、
仕事も上の空になるほどウキウキしてた。


何かに苦しんでいた和のことなんて
すっかり忘れて。


昼休みになって、そろそろお昼に
行こうかと、辺りをキョロキョロする。


いつも、和とは昼を食べない。

仕事中はただの同僚の関係を
保つためだ。

1度、昼を食べた時に、
俺がついついムラッとしちゃって
トイレに引っ張りこんでからは
絶対にダメだってなった。


よく考えれば、そこから和は
おかしかったんだ。


いつも一緒に昼飯を食べる同僚は、
今日は有給を取ってた。


1人も寂しいな、と思って
まだデスクでパソコンと向き合ってる
和に近付いて、

「ご飯、食べに行かない?」

そう言って話しかけてみたら、


「…話しかけないで。

今日はこっちに来ないで。」


信じ難い言葉が返ってきた。


言われた言葉のショックが大きすぎて、
もう昼飯どころではなくて、

結局何も食べずに、昼休みが終わった。



午後は、もっと仕事に身が入らなかった。

頭の中をループするのは、
和の言葉だけ。


…きっと、今日和が会ってくれるのは
いい話じゃないな、と思った。

最近距離を取ってたのも、
そのせいだったんじゃないか…って。


考え出すと止まらないもので、
不安だけが募る。


あれだけ楽しみだった夜が、
一気に嫌になってきた。

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