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DAYS

第32章 オールリクエストshort story♡






期待していた。

期待していたのに、
出てきた雅紀は、至って普通だった。


「あー、いいお湯だったぁ。

和は入ったの?」
「え…あ、うん。」
「じゃあ、もう乾杯しようよ!」


上は何も着ないで、パンツだけを
履いてスタスタとリビングへ向かう雅紀。


俺の計画が全部狂ってる。

お風呂から上がった雅紀は、
もういい感じに薬も効いてて…って
イメージだったのに。


「アロマ、どうだった?」
「あ、あれ?
すんごいいい匂いだったよ!」


雅紀がそう言っているから、
煙が逃げていた訳ではなさそうで。


じゃあ、やっぱり嘘だったのかな。

翔さんが俺をからかって、
普通のアロマを渡したのかも。


「ねぇ、和、まだぁ?」
「あ、ごめんごめん。」


ラブの上に座って、2つのグラスに
ビールを注いで待ってる雅紀。

先に飲んじゃわないで、こうやって
待っていてくれるから雅紀は優しい。


お香のことは忘れよう。

乱れた雅紀なんて見れなくても、
久しぶりにゆっくり出来るんだもん。


「かんぱーい!」


この笑顔が見られるだけで十分だ。





って、思ってたのは30分ほど前のこと。


今、俺の目の前にいるのは

「ふぁ、ああっ、ダメ、イっちゃ…っ。」


快感に身を捩る雅紀。

体全体を桜色に染めて、
潤んだ目でこっちわ見て。

色っぽく、半分ほど開いた口からは
熱い吐息と甘い声が漏れる。


ずっともぞもぞしてる雅紀を
変に思って、何気なく、するっと
腰に手を回したら、イっちゃった。


やっと効いてきたんだね。


「雅紀?熱いでしょ?」
「んぅ、熱いぃ…。」
「お茶、飲もうね。」


そう言って口移しに飲ませたのは、

さっき媚薬を仕込んだ麦茶。


もっと、もっと淫らなところを見せて。

全部さらけ出せよ。

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