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DAYS

第32章 オールリクエストshort story♡






バタバタと、騒がしい音がする。

すぐに分かる。


その直後、

「ただいまー!」


仕事終わりとは思えない、
元気な声がリビングにまで響く。

その声を聞いただけで、
思わず顔がにやけてしまう。

ずっと待ってたんだから。


だけど、そんなことを悟られるのも
嫌なもんだから、


「…おかえり、お疲れ。」


素っ気ない返事で出迎える。

そんな俺にも、

「ふふ。和、ありがとー。」


飛びっきりの笑顔をくれる。

その笑顔も好き。やっぱり好きだよ?

でも…。
今日は、ちょっと違う雅紀が見たいから。


「先にお風呂入っておいでよ。
入れてあるから。」
「ホント?ありがと。」


和は気が利くなぁ、なんて言って
何も知らない雅紀は風呂場へ向かう。

軽い足取りの背中に、


「今日ね、お風呂にアロマを
焚いてみたんだけど…よかった?」

すぐに気付くだろうから、
先に言っておく。


そうすれば、雅紀は絶対に

「え、ホントに?

ありがとう。いいね、アロマ。」
「疲れがとれるって聞いたから…。」


雅紀に近付いて、ちゅっと軽いキスをする。


「待ってるからね?」
「…っ!

すぐに入ってくるから!」


真っ赤な顔をして、雅紀は
風呂場へと駆け込んでいった。


俺は、キッチンへと向かって
麦茶の中に液体の媚薬を垂らす。

もしもの時に、ね。


乱れた雅紀が見られる。

媚薬なんて飲んでないのに、
俺まで体が熱くなってきて、興奮している
のが嫌でも分かった。


「覚悟してよ、雅紀…。」

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