
DAYS
第32章 オールリクエストshort story♡
「これ…か。
ホントに大丈夫なのかな。」
俺の手には、キャンドルアロマ…に
見える、香の媚薬。
火をつけて焚けば、煙が出て、
その煙にそういう効果が含まれてるらしい。
半信半疑…なんだけどね。
そんなものに縋ってる自分が
滑稽に見えたりもするけど、
でもそんなことはもう気にならない。
とにかく、雅紀の乱れた姿が
見てみたいんだ。
翔さんに悩みを相談したら、
これをくれた。
香と一緒に、もし効かなかったらって
液体の媚薬もくれた。
怪しい液体が、小さな小瓶の中で揺れる。
「潤も、すごかったよ、
これを使ったらさ。」
って、すっごい悪い顔した翔さんの顔を、
小瓶を見るたびに思い出す。
「ものは試しってヤツか。」
仕事が終わって、自分の車で
すぐに雅紀の家に向かった。
雅紀には、「家にいるから」って
メールをしておく。
雅紀が返ってくるまで、あと1時間。
まずはカモフラージュに、
ビールと乾きもののつまみを用意した。
今日のメインはここから。
お風呂にはお湯を張って、
香を焚いて煙を充満させておいた。
少しその香りを嗅いでみれば、
どこか甘い香り。
「のぼせないよなぁ。」
元々長湯はしないタイプだから、
大丈夫だとは思うけど。
もうすぐかなってソワソワしてた時、
『今から帰るね♡』
いつもの同じ文章。
だけど、いつも以上に
嬉しくないのは、仕方がない。
