テキストサイズ

DAYS

第32章 オールリクエストshort story♡






「ん?何これ…。」
「あ、えっと…。

これ、雅紀に。
いつもありがとう。」


そう言って渡されたのは、
たくさんの真っ赤なバラの花束。


「え、嘘…。

大ちゃん、こういうの苦手じゃん。」
「得意ではないけど…。

こういう日じゃないと、
こういうことってなかなか出来ないだろ?

いつも自分のことばっかりで、
あんまり相手してやれねーから…。」


バラに負けないくらい、顔を
真っ赤にしてる大ちゃん。


慣れないことだし、きっとすごく
勇気がいったことだと思う。


だけど、大ちゃんはしてくれた。

赤くてキレイなバラと、
大ちゃんの正直な気持ちを添えて。


それが何より嬉しくて、


「ありがとっ。」
「もー。また泣くんだなぁ。」


泣き虫だなって、笑われたけど
仕方がない。

それにね。
これは嬉し涙だからいいんだよ。


それにね、大ちゃん。

俺、すごく嬉しいの。

だってね、


「大ちゃん…。」
「ん?」
「実は俺もね…。」


立ち上がって、こっちについてきてと
手招きをしてみる。

すると、俺の後ろにピタッとついて
てくてくついてくる大ちゃん。

…可愛いなぁ、こういうところ。


俺が向かったのは寝室。

ベッドの上にポンと置かれてるのは、
大ちゃんと同じく真っ赤なバラの花束。


「え?嘘。まじで?」
「まじだよ。

だって、今日は特別だし、
いいかなって思って…。」


これってさ、もう運命だよね。
絶対に。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ