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DAYS

第32章 オールリクエストshort story♡






「え?え?なになに?」


停電かと思って、1人でオドオドしてたら


パンパーン

何かが弾ける音。


「ぅわああああ!」
「わ、うるさっ。」


何か声が聞こえた気がするけど、
俺の声でかき消されてく。


俺の絶叫が終わると共に電気が
パッとついて明るくなる。


「へへ。驚かせすぎちゃった。」
「…おお、ちゃ…。」


驚きのあまり、体の力がどんどん抜けて
その場にしゃがみこんでしまった。


目の前には、クラッカーを持って
ちょっと申し訳そうにしてる大ちゃん。


好きな人を見た安心感からか、
さっきの恐怖からか、
俺の目からは涙がボロボロこぼれる。


「わ、泣かせちゃった。

ごめんな?雅紀。大丈夫?」
「大丈夫じゃ、ないっ。
死ぬかと思ったじゃん!」


子供みたいに、わんわん泣きわめく
俺をあやすようにぎゅっと抱きしめてくれる。


「本当に、びっくりしたんだからね。」
「ごめん…。

だって、サプライズのほうが
雅紀が喜ぶかなって。」


大ちゃんのシュンとした顔。


ずるいなぁ。
そんな顔見せられて、怒れる訳がないじゃん。


さっきまでの恐怖とか驚きとか、
そんなのは全部吹き飛んじゃって、
ただただ目の前の恋人が愛おしい。

俺のため、だったんだよね?


俺からも手を回して抱きしめようと
すると、手が何かに触れて、カサっと
音を立てた。

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