
DAYS
第32章 オールリクエストshort story♡
今度は大ちゃんが驚く番で、
口をぽかんと開けたままだ。
「本数にも意味があるって、知ってた?」
「あ、うん。
俺もちゃんと考えて買ったから。
44本。」
「44本?
どんな意味なの?」
「変わらぬ愛を信じます。」
大ちゃんの瞳は、まっすぐに
俺を捉えたままで。
心臓がどきっと跳ね上がった。
「俺もね、ちゃんと調べたの。
50本と、5本。」
「2つ?」
「うん。
50本は、永遠の愛。
5本は、あなたに出会えて
本当によかった…だよ?」
俺も、大ちゃんに負けないくらい
まっすぐに見つめた。
そのまま、引き寄せられるように
深いキスをした。
言葉なんていらなかった。
もうずっといるんだもん。
求めてくれてるんだって、すぐに分かる。
キスだけで足りる訳なくて、
夜通し交わりあった。
「あっ、あ…っ。ね、さとしぃっ。」
「んっ?」
「あ、あぁっ。
あい、してるっ。」
「うん…俺も。愛してる。
ずっと、一緒にいてね。」
心も体も、全部がとろけてくような、
これ以上ない幸せな言葉。
また涙が止まらなくなって、
大ちゃんが困った顔をしながら
「ホントに泣き虫さん。」
何度もキスをくれた。
重ねる度に、大ちゃんが好きになる。
…大好き、だよ。
次の日の朝、リビングの花瓶には
99本のバラが飾られてる。
「こう見ると、すげーな。」
「うん。すごいね。
ねぇ、大ちゃん。知ってた?」
「ん?」
「99本にもね、ちゃんと意味があるんだよ。」
『永遠の愛』
バラの花が香る、いい朝だ。
-end-
