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素直じゃなくて、少し捻くれてるとこが
好きだった。
そこも好きだった。

だけど、そんな好きだったところも
今ではただの不安材料だ。


元々多くを語るようなタイプではない。

ましてや、恋愛とくれば
その何割増しも語りはしない。


不安なら、それを和に言えばいいだけ。

だけど、それも怖いんだ。


「実は、相葉さんが好きなんだよね。」

そんな答えが帰ってきそうで。




もう何度目のため息だろう。


「はぁ…。」
「もー…。さっきからうるさいなぁ。」
「翔くん…。」


幸せ逃げまくってんぞ？


翔くんが俺の顔を見て失笑する。


「何かあったの？」
「…ちょっと。」
「ニノのこと、でしょ？」
「え、何でー…」


しまった、と思った頃には後の祭り。


「やっぱりね。」
「気付いてたんだ。」
「うん。明らかに、態度が変わってるよね。
主に、ニノの方が。」
「え？和が？」


意外だった。

和はいつも通りだと思ってたから…。


「ずっとチラチラ見たりしてるし。

でも、最近何かニノも変だよ？」
「え？」
「たぶん、お前がそんな暗い顔してる
からだと思うけどね？」


ちゃんと話、しろよって
翔くんが俺の頭をぽんっと叩いた。


そっか…。

そうだよな。言わなきゃ始まんない。


「和。ちょっと…。」
「へ？」
「雅紀はこっちにおいで。」
「翔ちゃーーん。」


和の手を引いて、
楽屋から連れ出した。


バカだなぁ、俺。

いつだってこの手を掴めたのに。

いつだってこの手は温かくて、優しいのに。