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M side


外は雨が降っている。


局へと向かう車の中、
目に飛び込んできたのはアジサイの花。


もうそんな時期なのか…。


昔、誰かに聞いたことがある。

アジサイの花言葉は、
あんまりいいもんじゃないって。


『移り気』
『気の迷い』

『浮気』


別に疑っている訳じゃない。

和のことを信頼しているし、
俺のことを愛してくれてるとは
よーく分かっているつもりだ。


だけど時々。

ふと考えるんだ。
「もしかしたら…」って。



今だって、和は相葉くんと楽屋で
仲良さそうに何かを話している。

これでもかってほどくっついちゃって。


「やめろよ、あいばか。」
「あいばかって…。ひっどい。」


そんなこと言いながらさ、
何だかんだで楽しそうな顔をしてるし。

何よりその場を離れようとしないのが、
1番の証拠だと思う。



「はぁ…。」


メンバーのみんなは、知らない。
俺と和が付き合っているということを。


俺は言おうと提案した。

だけど和は、「変な気を使われたくない」
って、言わないでおこうって言ったんだ。


仕事中はお互いに深く干渉しない。
プライベートは持ち込まない。


お互いに決めたことだけど、
やっぱり嫉妬はするし。

それ以上に不安になる。

和に限って、浮気なんてありえないと
分かってはいるけど、ここまでドライだと
もう分からない。