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DAYS

第32章 オールリクエストshort story♡






S side


期待してた自分が恥ずかしい。


潤が深いキスをくれたから、
もしかしたら…って。

体がどんどん熱くなっていたのに、


「一緒にご飯作ろっか。」


爽やかな笑顔を添えて、
そんなことを言われちゃったもんだから
熱くなった体を持て余してる。


ズルいなぁ…とも思うけど、
それでも格好いいなって思っちゃう。

潤は俺を単純にさせちゃう魔法を
使えるんだ。

いつだって、俺を分からなくさせちゃう。


「何作るの?」
「翔が食べたいものにしよっか。
何が食べたい?」
「んー…。オムライス!」


条件反射的に、すぐに出てくる
オムライスって言葉に、潤が失笑してる。


「本当に好きだなぁ。」
「だって美味しいじゃん。」
「そんだけオムライスオムライスって
言ってたらさぁ。
ヤキモチ焼くよ?」
「へ?」


ヤキモチ?

ヤキモチ焼きなのは知ってるけど、
食べ物にまで焼いちゃうの?


驚いて目を見開く俺に、

「可愛いなぁ…。
冗談だよ、冗談。」
「もう、潤ー…。」


ごめんごめんって、また軽いキス。

触れるだけのキスに、少し収まってた
熱がまた沸き上がってくる。


「さ、作ろっか。」


エプロン姿まで格好いい。

冷蔵庫をゴソゴソと漁ってる間に、
手を洗って俺もエプロンをつけた。


「でも俺、何にも出来ないよ?」
「大丈夫。俺が教えてあげるから。ね?」


それに2人で作りたいんだよ。
それに意味があるんでしょ?


そんなことを言われて、断れるはずがない。

やっぱり潤は、俺がどうすれば
嬉しくなるのか分かってる。

本当に魔法使いみたいだ。

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