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DAYS

第32章 オールリクエストshort story♡






次に目が覚めたら、そこに二ノはいなくて。


というか、ここ部屋じゃない。


心地よく体が揺れるこの感じを
よーく知ってる。

車の中だ。


「…え!?」
「あ、起きたね。」
「おはよう。翔ちゃん。」
「おはようございます。」


車の後部座席に乗ってる俺。

運転席には相葉くん。
その隣には二ノ。
後部座席の真ん中に俺が座ってて、
両隣には松潤と智くん。


頭がパンクしそうだ。


「え…、なんで?」


何でみんないるの?
ってか、何で?
俺、部屋で寝てたよね?

頭にはクエスチョンマークだらけ。


そんな俺に気が付いたらしい二ノが、


「ちゃんと説明してあげてくださいよ、
大野さん。」
「え?俺?」
「あなた以外いないでしょうよ。」


マジかーって、頭を掻きながら
俺を見てる。

少し照れくさそうに。

俺はてっきり、智くんは怒ってるもんだと
思ってた。

勝手に出て行って、連絡もしなかった。


「…怒ってないの?」
「ん?何で?
翔が無理してたの、気付かない俺が
翔に怒られるなら分かるけど…。

ごめんな。翔。
放ったらかしにする気はなかった。
だけど、そうなっちゃって…。

寂しい想いさせてごめん…。」


不器用な人の精一杯の言葉に、
また涙が出そうになる。

それを知られたくなくて、

「これ、どこに行ってるの?
何でみんないるの?」

「それは、着いてから、ね。」


ふにゃっと笑う智くんを見て、
たったそれだけで乾いていた心が
潤っていくのが分かった。

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