
DAYS
第32章 オールリクエストshort story♡
O side
「何、ここ…。」
翔が車から降りても、動けずにいる。
それほど驚いてくれてるみたい。
連れてきたのは、海辺にある
小さな一軒家。
今日のために、少し前から借りていた。
「ほら、行くよ。」
「あ、うん。」
戸惑いながらも、素直についてくる
あたりがまた愛おしい。
「入ってみて。」
翔が、玄関のドアをゆっくり開ければ
飾り付けられ、たくさんの花で
彩られた部屋。
真っ白い壁には、
『HAPPY WEDDING SATOSHI&SHO』の文字。
「え、嘘…。」
「ずっと釣りだって、嘘ついててごめん。
本当はこれがしたかったんだ。
結婚式。」
いつぞやの夜。
翔が言った言葉。
『1度でいいから、幸せな結婚式とか
してみたいな…。憧れる。』
ずっと、それを実現させてやりたかった。
覚えててくれたの?
嘘つくの苦手なクセに、
釣りだって行って、朝早くから?
翔が泣きながら、たくさんの言葉を
俺に投げかけてくる。
「ドラマで忙しくて構ってやれなかったし、
我慢もいっぱいさせちゃってごめん。
でも、本気で翔が好きだから。
結婚したいんだ。」
「…っ、はいっ。」
俺の手には、結婚指輪。
ゆっくりと翔にはめていけば、
また涙をこぼす翔。
綺麗だった。美しかった。
目の前の海よりずっと。
「メンバーのみんなに見守ってもらえる
結婚式って、素敵でしょ?」
世間では認めて貰えにくいこの関係。
だけど、この仲間だけは
いつだって応援してくれていて。
それは翔だって知っているから。
「この計画を話した時も、
みんな協力してくれて…。」
「当たり前でしょ?」
「そうですよ。」
いい仲間と、最愛の人がいて。
「みんな、ありがとう。」
「ありがと…っ。」
「いいなぁ、結婚。
ね、俺たちも考えよっか。結婚。」
「「「え!?」」」
「まーくん…。」
「「「まーくん!?」」」
「ちょ、頭ついてこない。」
「え、待て待て待て。」
幸せは続いてく。繋がってく。
-end-
