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DAYS

第32章 オールリクエストshort story♡







「で、どうしたんですか?」


もう夜も遅いのに、
二ノは快く受け入れてくれた。

まぁ、俺が泣いてたっていうのも
あるんだと思うけど。


キッチンから戻ってきた二ノの手には、
湯気の出てるマグカップ。

コトッという音をたてて
マグカップが目の前に置かれる。


温かいハーブティーだった。

…二ノ、こんなの飲むんだ。


ほっと一息つけば、気持ちが落ち着いた。


「大野さん、でしょ?」
「え…。」
「やっぱりね…。」


だから言ったのに…。

ニノがぼそっと、何かを呟いている。


いきなり切り出してきたことにも
驚いたが、その言葉にも驚いた。


「やっぱりって…どういうこと?」
「いえ。

翔さんが泣くのは、そういうことかな
と思っただけですよ。」


うまいこと誤魔化されてる気がするけど、
ニノはそのへんがうまいから追求出来ない。


「何があったんです?」
「…最近ね。」


今までに溜まりに溜まったものが、
ポロポロポロポロ出てくる。


「なるほどね…。」
「もう…、辛いよ。」


智くんが楽しんでるならって、
今までは我慢出来てた。


でも、待たされるばかりは寂しいよ。

もともと鋭い方じゃないから、
俺がこんな気持ちになってるのには
きっと気が付いてはいないと思う。

だから余計に辛いんだ。


「どうしよう…、俺。」
「大丈夫ですよ。」


泣きじゃくる俺を優しく抱きしめて
くれる。

優しく背中を叩くリズムに、
俺はいつの間にか眠りに落ちた。

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