
DAYS
第32章 オールリクエストshort story♡
プライベートな時だけ、そんな感じ。
収録中は別に普通で。
いつもの感じ。
いつも通り話してくれるし、
いつも通り接してくれるし、
いつも通り笑ってくれる。
だけど、ほんの少しだけ
距離が遠い気がする。
物理的な距離も、心の距離も。
楽屋とは打って変わって、
「相葉さんもそう思うでしょ?」
「…へ?あ、聞いてなかった。」
「ちゃんとしろやー!」
笑顔で話しかけてくるニノ。
とぼけた俺に、スタジオは
笑いに包まれた。
だけど、俺は全然笑えない。
もう俺、分かんないよ。
どっちが本当のニノなの?
今、俺に微笑みかけてくれるニノは
無理してるのかな。
プライベートのニノの対応が、
本当のニノなのかな…。
本当のことを知りたくて、
ニノに言ってほしくて、
帰り支度をして楽屋を出ようとする
ニノに話しかけてようと思った。
「お疲れ様です。」
「あ、待って、ニノ。」
「急いでるんで。」
俺の引き止めもむなしく、
すたすたと帰ってくニノの背中を
ぼんやりしていく視界で見送る。
もう腹が立つというか、
そんなのを通り越した。
悲しくなってきたんだ。
今までは隣にいてくれたニノが、
急にあんな態度になっちゃったことが。
何かに必死に耐えているような、
そんなニノの姿を見るのが辛いんだ。
泣きそうになってる俺を見て、
「あーあー…。」
「そうだよな、冷たいよな。」
松潤と翔ちゃんが俺の頭を
撫でてくれてる。
大ちゃんは、
「あのバカ…。」
それだけ残して、ものすごい速さで
楽屋を飛び出してった。
