
DAYS
第32章 オールリクエストshort story♡
S side
別に、今すぐにどうこうしようとは
思っていない。
引かれたくはないし。
「櫻井さーん」って駆け寄ってくる
アイツが見られなくなるのは辛い。
ただ、行く行くは気持ちを伝えようって。
「好きだ」
「俺と付き合ってくれ」
そのためにはもう少し距離を
縮める必要がある。
玉砕するのは勘弁。
せめて俺とのことを真剣に考えてから
振ってほしい。
ダメだな。振られることを前提で
考えちゃってる。
「とにかく行動しないと、
アイツがかっさらって行きそうだし…。」
「誰がかっさらって行くんですか?」
しまった、声に出てた。
しかも俺に話しかけてきたのは、
二宮だし。
よりによって、何でコイツなんだ。
「何でもない。」
「ふーん…。そうですか。」
勘のいいコイツのことだ。
すべてお見通しだと思う。
なのに、何にも知らないフリをして
「この資料、目通してもらえますか?」
なんて言ってくるんだから。
分かってたことだけど、
コイツはかなり手強い。
「ここをちょっと修整しといて。
あとは大丈夫。」
「分かりました。ありがとうございます。
あ、櫻井さん。」
「…なんだ。」
「あれ、俺のなんで。」
把握しといてくださいね?
俺の耳元でコソッと呟くと、
心なしか、来る時よりも軽い足取りで
帰っていく二宮。
…ぜってぇ、負けらんねぇ。
「おい、相葉!」
「はい!」
「ちょっと来い。」
「はい、何でしょう。」
「今日の夜は空いてるか?」
指を咥えて見てるだけなんて、
ガラじゃないんでな。
