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DAYS

第32章 オールリクエストshort story♡






大野さんは、下を向いたっきり、
何も言わなくなってしまった。


終わったと思った。

もう何もかも、終わったと思った。


この夢みたいだった時間も、
今みたいな心地いい関係も。

全部、自分で崩してしまった。


だけど後悔はない。

大野さんを好きだった気持ちに
嘘はないし、むしろその気持ちを
誇りに思ってたから。



大野さんは、相変わらず
俯いたまま。何も言わない。


さっきまでは、あんなに
居心地がよかった大野さんの隣も、
今じゃ逃げ出したいほどで。


「 …ごめん、こんなこと言って。

今日はもう帰れないだろうから、
今日はここで我慢して。
なんなら俺、出ていくけどー…」

「俺は!!」


突然の大野さんの声に、驚いた。

しかもその声のボリューム…。
ライブくらいでしか聞かない。


その声に圧倒されて、
言おうとしてた言葉を呑んだ。

だって、大野さんの表情は
真剣そのもので。

何か大事な話があるんだって分かったから。

本当なら、耳を塞いで叫んで、
この場から逃げ出したい。

だけど、大野さんは俺の勝手な告白を
聞かされたんだから。
俺が逃げちゃダメなんだよ。


「俺は…。そんなつもりで、
夢だったらって言ったんじゃない。」


苦しそうに話す。その姿に胸が痛む。


「これが全部夢だったら、
1人になったって平気なのにって。」
「…え?」
「3ヶ月以上、好きな人と一緒に
過ごしてきたんだぞ?

俺の人生で1番幸せだった。
終わってほしくなかったんだ…。

こんないい時間を知ったら、
もう片想いなんて辛いだけだと
思ったから。

…俺も、まちゅじゅんが好き…。」

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