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DAYS

第32章 オールリクエストshort story♡






そして迎えたクランクアップ。

そして、大野さんとの同居が
解消される日でもある。



「ただいまぁー…。」


もうただいま、が習慣になってるね。

そんな大野さんのゆるーいただいまが
聞けるのも、もう最後なんだな。


「おかえり。

だいぶ酔ってない?」
「んーにゃ。」


あ、酔ってるな。これは。


大野さんと同居をして、3ヵ月半。

ここまで酔っ払ってる大野さんを
初めて見た気がする。


しかも、今は夜中の3時前。

どれだけ撮影が遅くなっても、
絶対にこんな時間には帰ってこなかった。


イレギュラーなことが重なる今日。

だけど、今日が最後なんだ。


「歩ける?」
「んーにゃ。」


さっきから同じことしか言わないし。

肩を支えて、短い廊下を2人で歩く。

それだけのことなのに、
心臓がドクドク跳ねてうるさい。


「ほら。着いたよ。」
「んーにゃ。」
「はぁ…。」


最後の夜だっていうのに、
大野さんはベロンベロンに酔ってる。

でもこれが何だか俺ららしくって。


結局、この距離は埋まらないままかな。

だけど、このままでいい気がする。

この関係を壊すよりも、ずっといい。



「あー、ここで寝ないで?」
「んーにゃ…。

なぁ、まちゅじゅん。」
「ん?」

「これ、夢じゃないよね?」
「え?…当たり前だろ?」


やっぱりそうか…って、
盛大にため息をついてる。

質問の意図が分からなくて、
ただただ困惑してる俺。

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