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DAYS

第32章 オールリクエストshort story♡






俺たちの同居は、
割と平穏な感じだった。


「今日は?」
「遅くなる。
先寝ててよね。」
「はいはい。」


お気に入りのパーカーとスニーカーを
身にまとって玄関を出ていく大野さんの
後ろ姿を見送る。


同居を始めてから、
もうすぐ1ヶ月になろうとしてる。


相変わらず、大野さんは
何か無理しているように見えるけど、
それはプレッシャーから来てるんだって
最近気が付いた。


だって、それは俺も同じだから。

主演をするというプレッシャー。
数字へのプレッシャー。
嵐の名に恥じない仕事をする
ことへのプレッシャー。

どれか1つを怠たるだけで、
ドラマにも、嵐にも傷がつく。


それに加えて、
コンサートのリハーサルや打ち合わせ、
振り付けの確認まで入ってくる。

普段、ここまで仕事を詰めない
大野さんにとって、かなり過酷な
状況なんだと思う。


大野さんの苦労が分かるからこそ、
俺も辛くなる。

俺だって、決して楽な訳じゃない。


だけど、玄関を開ければ
誰かがいる。
好きな人がいる。

その空間が、俺にとって
今何よりも大事なんだから。




「おかえり。」
「ただいま。

寝てていいよって言ったのに。」
「セリフ覚えてただけだよ。」


そっか、って安心した顔してる。


俺に気を遣わせるのが嫌なんだよね?

でも、俺がやりたいからしてるんだ。

そんな疲れた顔をしてる大野さんを、
真っ暗な部屋で出迎えるのは
俺には出来ないから。

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