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DAYS

第32章 オールリクエストshort story♡







「ほら、ご飯。
あんまり負担にならないものに
したから、食べて。」


聞けば、ろくにご飯も食べてないって
いう大野さんにミルク粥を作った。

これなら、まだ胃への負担は少ないから。



「マネージャーにも連絡してあるから、
今日はこのまま寝ていいよ。」
「でも…。」
「そんな状態で帰せないから。

俺が怒られちゃうよ。」


なんて茶化して言えば、
やっと、ふふっと笑った。


大野さんをお風呂に入れている間に
客間の準備をして。


「そこの部屋、勝手に使ってね。
早く寝るんだよ?」
「まちゅじゅん、お母ちゃんかよ。」


そんなことを言われながら、
大野さんを客間に押し込んで寝かせて。


風呂から上がったあと、
ちらっと客間を覗き込んだ。


「…っ、くっ。」


すぐに分かる。

泣いてるんだってこと。


このドアを開けていいのか、
俺は分からなかった。


開けたら、また大野さんは
大丈夫だって無理をするだろう。

だからと言って、好きな人が
泣いているのに何も出来ないのは辛い。



何が正解なのか分からないけど、
とにかくその場を離れたくなくて。


客間の前の廊下に座り込んで、
ただ大野さんが眠りにつけることを
ずっと祈ってた。



泣き声が寝息に変わった時、
安心して、俺もその場で寝てしまってた。


これから、どうしようかと考えながら。

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