
DAYS
第32章 オールリクエストshort story♡
「ねぇ、かーずー。」
「はいはーい。」
お風呂のほうから、俺を呼ぶ声。
何か足りないものでもあったのかな?
いやいや、ちゃんとシャンプーも
補充したし、今日はバスボムも入れた。
バスタオルも着替えも置いておいた
はずなんだけど…。
小走りに脱衣場まで行って、
「翔?どうしたの?
何か足りない?」
風呂場のドアを少しだけ開けて、
そこから翔の顔を覗きながら聞く。
「足りない。」
「え?嘘。ごめんね。
何が足りなかった?」
「和。」
「は?」
「和が足んないの。」
俺の頭をクエスチョンマークが
占めている間に、あれよあれよと
服を脱がされ、
「ふぅーい…。生き返るぅー…。
やっぱ和がいると、
もっといいお風呂になるね?ね?」
湯船の中に、男2人。
展開が早すぎて、
まったく頭がついてきていない。
後ろから抱きしめられるように、
翔の足の間に座らされてる俺。
「気持ちいいねぇー」なんて言ってるけど、
それどころじゃないんだよ。
「和。」
「…っ。」
「なぁ、聞いてんの?」
さっきまでの声と、変わった。
まずい。
スイッチが入った時の声だ。
「聞いてる、聞いてるから。
ねぇ、出ようよ。」
「ダメ。もう我慢出来ない。」
「我慢してよ!」
「和がお風呂に入ってきたんだもん。」
もんって…。
って言うか、
「翔が脱がせたんじゃん。」
「だって和、一緒に入って
くんないから…。」
そんなことを言ってる間も、
俺の体を履い回る翔の手。
息子が反応してくるのは、必然で。
「あ…。和の。
なんだ。その気になってんじゃん。」
その瞳。
俺を見下すようなその瞳に、
背中がぞわっとした。
