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DAYS

第32章 オールリクエストshort story♡





A side


掴まれた手が熱い。

触れられれば、心臓がどくんと跳ねる。


いくら口では強がっても、
俺は翔ちゃんのことが好きで。

翔ちゃんがいなきゃ、
もう生きていけないくらい好きで。

翔ちゃんのことを離したくない。
翔ちゃんとずっと一緒にいたい。


でも、翔ちゃんもそれを望まなきゃ
虚しいだけだから…。


俺が出来ることは、
翔ちゃんを自由にさせてあげること。

翔ちゃんから離れること。



「離してよ…。」
「黙ってついてこい。」


こんな強引なところも、
どうしようもなく好きで。

体は離れようとしても、
心はそれを拒絶してて。



ベッドの上に、ぽーんと
放り投げられた体が跳ねる。

俺の上に乗る翔ちゃんが、
俺を見下ろす。



「やだ、やめて、やめて…。

翔ちゃん!」


気持ちのない行為なんて、いらない。

俺が本当にほしいのは、
翔ちゃんからの愛だから。



「ねぇ、翔ちゃん…。


翔ちゃん?」


ポタっと、温かい液体が
俺の頬を濡らした。

だけどそれは、俺のものじゃなくて。



「…っ。ごめん…。」


ぱっと顔を見上げれば、
ひどく悲しそうな顔をしてる翔ちゃん。


何でそんなに傷ついてるの?
俺が傷つけてたの?



「お前が好きなんだよ。

だけど…。
怖いんだ。」

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