
DAYS
第21章 愛を込めて花束を S×N
S side
俺たちを知る人もまずいないであろう、
異国の地で、かなりオープンになって
積極的になってる和。
「ねぇ、翔。」
「ん?」
「何でここに来たの?」
「もうすぐ分かるよ。」
何度も聞かれてるけど、
上手くかわしてる。
だって、サプライズにしたいから。
タクシーが着いた先は、
水上コテージがいくつか並んでる場所。
「ここ、凄い…。」
ネットの写真でしか見たことのない
光景が、ずーっと広がってる。
「今日はここに泊まるから。」
「え!?」
和が驚いた顔をしてる。
俺も驚いてるけどね。
計画を立てたのは、昨日。
まさか、こんな所がとれるとは
思ってもいなかった。
だけど、やっぱり持ってるモノがあって。
…嵐だから? なーんて。
「ほんっとにたまたま空きが出てさ。」
「本当に泊まれるの??」
瞳をキラキラさせて、
和が俺の方を見てる。
その顔だけで、
ここに来てよかったな、ってなる。
「さ、コテージに行こ。」
「うん。」
返事をすると、だーっと見た事の無い
スピードで走って行く和。
そんな子供っぽいところも
愛おしい。
俺の奥さん。…何か照れるね。
「「せーのっ。」」
ドアノブに手をかけて、
一緒にドアを開ければ
「うわぁ…。」
思ってたよりもずっとずっと
広い空間。
木で出来てる暖かい空間。
「本当にここに泊まれるんだね。」
「うん。
ほら、取り合えず荷物だけ置いてさ、
街の方とか行ってみる??」
「うん!行きたい!」
異国の地、って人を変えるのか、
和はずっとニコニコしたままで。
そんな和を見てたら、
俺まで幸せで。
でも、まだまだやりたいことがある。
まだまだ喜んで貰わなくちゃね。
「さ、行くよ。」
「もうちょっと待ってー。」
和が荷物の整理に追われてる間に、
こそこそっとメールを送った。
「翔、お待たせ。」
「行こっか。」
恋人繋ぎをしてたって、
誰も気にはしない。
そんなオープンな土地で、
和の笑顔はたくさん咲いた。
さ、やる事が残ってる。
