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DAYS

第21章 愛を込めて花束を S×N





「ふふ。」
「また見てるの?」
「だって嬉しいの。」


2人でベッドに潜り込んで、
まったりと過ごしてた。

俺の腕枕の上で、
頭をゴロゴロさせてる。


和は、自分の手にはめられた指輪を
見ては、笑ってる。


その光景は、幸せそのもので。


幸せを1枚の絵に表した。

そんな感じ。



「ねぇ、翔。」
「んー?」


和の口調が甘ったるい。

眠たいのかと思って、
頭をゆっくりと撫でてやる。



そしたら、


「シテ。」
「へ?」


さっきまでゴロゴロしてたのに、
俺と向かい合うように体を向けて、
俺を真っ直ぐに見てる。


「いや、でも和病み上がりだし。」
「いいから。」
「もう夜も遅くなってきてるし。」
「明日からオフじゃん。」


まとまったオフは貰ったけど…。

和の体調が優れないし、
ストレスって事もあったし…。


まぁ、年末、かなり忙しかったから
その忙しさが少し落ち着いた今、
事務所はまとまった休みをくれた。



それを聞いたのは今日。

だけど、もう俺にはやりたい事があった。


正確には、今さっき。

指輪をつけた瞬間に、
思いついた事。



「明日から、やりたい事があるんだ。」
「やりたい事…?」
「そう。

だから、和には体調を万全にして欲しい。
今日はもう寝よ、ね?」
「やだぁ、欲しいー…っ。」


駄々っ子みたいに泣き出す和。


「え!? 泣かないで。」


慌てて和をぎゅっと抱きしめる。

…やっぱり暖かい。


「俺の事、嫌いなの…?」
「そんな訳ないだろ。
大好きだよ。」
「じゃあ抱いー…」
「好きだから、大事にしたい。

無理させたくない。
今日はいっぱい休もう。」
「でも…っ。」

「でもじゃない。」


そんなに泣かなくたって、
俺はいつでも隣にいるから。


「ずっと一緒にいるんだろ?

今日を急がなくったって、
ずっと一緒なんだから、俺たち。

和の体調が良くなったら、
今日の分まで愛してあげる。」



ずっと、って言葉は難しい。


だけど、和となら。


その言葉さえ、簡単になる。

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