
DAYS
第21章 愛を込めて花束を S×N
「っ。翔っ。」
「うん?」
「ずーーっと一緒にいるー…っ。
離れてや、んない。
絶対いっちゃダメだからっね。
ずーっと俺だけ、だからねっ。」
和らしい言葉。
それが何よりも嬉しくて。
「うん…。」
「こんなの、重っくない?」
不安そうに、俺の胸の辺りから
顔を上げて、上目遣いで見てくる和。
もう可愛いから何でもいいや。
「重いわけないだろ。」
「ほんと?」
「本当。
むしろ嬉しいよ、そう言ってくれて。」
少しでも俺の本当の気持ちが
伝わって欲しくて、にっこりと笑いかける。
そうしたら、安心したように
俺の何倍もの笑顔を返してくれて。
「天使だわ…。」
「は?」
「いや、可愛いなって。」
「ぇっ!」
可愛いって言った瞬間、
顔をゆでダコみたいに真っ赤にさせて
「可愛くないもんっ!」って
必死に否定してるけど…。
その反応が可愛いんだよなぁ。
こんなに可愛い天使と、
一生一緒にいれるんでしょ?
こんな幸せないじゃん。
「改めて…。
結婚してください。」
「…はいっ。」
和に指輪の入った箱を渡して、
「これ、受け取って。
ペアリングなんだ。」
自分の左の薬指にもはめられた指輪を
見せる。
喜んでくれるかな、って思ってたら
あれ?
何かむすっとして、箱から指輪を
出そうとしない。
「和?」
「こーいうのはさ。」
「はい。」
「付けてくれるもんじゃないの?」
ほら、って自分の左手を
俺の前に突き出してる。
あぁ。そういう事ね。
指輪を取り出す手が震える。
指輪をはめる手が震える。
こんな単純な作業なのに、
凄く時間がかかった。
だけど、それ以上に気持ちがあるから。
「綺麗…。」
手にはまった指輪を見て、
ポロポロと涙を流してる和。
言わないけど…
和の方が、ずっとずっと綺麗だよ。
「指輪は見せて。
ほら、記者会見みたいにさ。」
そう言えば、少し照れたように
左手を顔の横に持っていって、
恥ずかしそうに笑う。
幸せ、だなぁ。
