
DAYS
第19章 身長差のない恋人 N×O
N side
言わないつもりだった
「好き。」
を言っちゃって。ポロッと。
半分やけくそで言った本音を
大野さんはちゃんと拾ってくれて。
しかも、
「好き。」って…。
そんな言葉聞いたら、
キャパオーバーしちゃって、
真っ白な世界に引き込まれてた。
目が覚めた時は腕の中。
しかも、腕枕ーとかじゃなくて
お姫様だっこだよ?
細い体のどこに力があるのか
分かんないけど、俺を簡単に持ち上げてて。
ベッドに下ろしてくれた後も、
なんだか起きてますアピール出来なくて。
大野さんにされるがままになってた。
そしたらね、
すんごい幸せそうな顔してるの。
すんごい幸せそうな顔して、
俺の色んなところにキスをー
って、え!?
何でこの人キスしてんの!?
しかもそれだけじゃ終わらなくて、
服の袖から手が入ってくる。
さすがに…ねぇ。
「寝込みを襲うって…。
なかなかですね、大野さん。」
「ひぃっ!」
めっちゃ驚いて、飛び上がってる。
顔、固まってるよ(笑)
思わず吹きそうになるのを
何とかこらえる。
「ねぇ、大野さん?」
「な、何?」
動揺しすぎだし。
可愛い。
「それ、どうしたの?」
「え?…ぁっ。」
俺が指を向けた先は、
盛り上がってる大野さんのスウェット。
「ニノ…。」
「ん?」
「抱いて。」
「…。
え?
ごめん、もう1回言ってもらっていい?」
「やだよ!恥ずかしいわ!」
そう言って、布団被っちゃったし。
だって、そんなのすぐに
呑み込めないでしょ!?
今日やっと、
「好き」って気付いて。
そしたら、両想いで。
恋人同士になって。
と思ったら、お誘い。
「大野さん。」
「…。」
「大野さーん。」
「…。」
「…智?」
「え!?」
布団からかばっと起き上がってくる。
「わっ!」
「今、智って呼んだ。」
「ぁ…うん。」
改めて言われたら照れるじゃん。
名前を呼んだだけで
喜んでくれるのが嬉しくて。
名前を呼ぶほど、
心がぽかぽかしてく。
