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DAYS

第19章  身長差のない恋人 N×O





まだちょっとほわほわしてる頭を
何とか叩き起こして、必死の言い訳開始。


「いや、何ていうかー。

最近疲れてて。自然現象自然現象。」
「ふーん…。」


疑いのあるような目で俺を見てる。


変なとこ鋭いから、この人やだよ。



「俺、だからじゃないの?」
「…へ?」
「俺が触ったからじゃないの?」


真剣な顔つきの大野さん。

心臓が跳ね上がった。


…知ってるの?俺の気持ち。
知ってていってるの?

それとも偶然?


だけどここまできたら偶然も、
必然になる気がする。



言ってもいいのか。

言わないつもりだったのに。



「ニノ。」


少し上から聞こえてくる声。


頭がほわほわするのは、
逆上せてるせいだ。


大野さんのせいじゃない。




自分の気持ちに無理やり蓋をして、


「疲れてるからだよ。


…もう出よ。
やっぱり逆上せてるみたい。」


まだ誤魔化せる。


気付くべきじゃなかった。
諦めるしかない。


頭では分かってるのに…。


「ニノ、泣いてるの…?」
「え…。」


言われるまで気が付かなかった。


頭では分かってる。

だけど、心が痛い。苦しい。



「ニノ。」
「っ。…大野さ…んっ。」
「うん?」
「あのねっ。」
「うん。」


「好きぃっ…。」


やっと出せた声は掠れてた。

だけど、そんな声でも大野さんは
優しく

「うん。知ってた。」


…え?


「何でー…」
「ニノがね。さっき言ったんだよ?」
「さっき?」
「ソファーで寝てた時。

寝惚けてたのかもしれないけど、
『 好き。離れないで。』って。」


夢の中だと思ってた。

恥ずかしっ!


「顔真っ赤だよ。」
「うるさいっ。」


我ながら可愛くない反応。
こんな自分、嫌んなる。


今だけ。今だけでいいから、
素直になれるかな。


「好き。大野さん、好き。」
「俺も好きだよ。

初めは信じられなかった。
俺らっていっつも一緒だし、
勘違いじゃないかって。」


大野さんが正面に向き合い直して、



「だけど、気付いた。

あー、これ恋だなぁって。」

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