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腹黒ドS王子の愛する人

第16章 番外編

葵はその質問に少しだけ押し黙ると口を開いた。




「連絡、一回も来なくてさみしかった。嫌われたんじゃないかって、もう俺のとこに帰ってこないんじゃないかって不安だった.....」



帰国後、初めて聞く葵の本音。



その目からは大粒の涙が流れ俺のシャツを濡らしていく。


あー、全然ダメじゃん俺。
一番大切な人を泣かせてる。




「ん、ごめんな。」


「うーっ....」



余程一人が不安だったのか泣き止むことなくずっと俺に抱きついて泣き止まない。



俺はその姿さえも愛おしくて頭を撫でてきつく抱き返した。





「出張、さみしくない?」



「ずっ....さみしいっ.....でも、西条の邪魔、したくない......」



こいつは、自分だけのことじゃなくて俺のことまで考えて。





愛おしくてたまらない。

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